5、LTOテープドライブ使用での注意点
☆マウント、アンマウント操作はLTFS Quik Toolsまたはドライバから行う。誤ってマウント中に電源を切らないように。特にカートリッジの記録動作中に電源が切れると、LTOカートリッジ上のデータ損失を招くことがあります。出来れば無停電装置の併用をお勧めしたいところです。
2018.8追記:記録可状態のLTOカートリッジマウント中には、HDDや他の記録ストレージのマウント動作を絶対にしないで下さい。カートリッジが認識しなくなり、リカバリモードをかけても復旧できなくなります。☆バックアップ先や復元先には高速な専用スレージを指定する書き込みや復元対象となるファィル、フォルダは、ドライブの安定動作のためにも、専用スレージに移した上で作業を行います。転送速度が遅い一般的なHDDやその他メディア媒体を直接指定すると、所要時間が延びるばかりか、ドライブ側に待機動作が発生して、ヘッドの目詰まりに繋がります。
☆ランダムアクセスは苦手テープ上にデータがシーケンシャルに記録されている構造上、目的ファイルの頭出しには時間を要します。ランダムアクセスを要する用途には向きません。HDDやSSDと使い分けが必要です。
☆部分消去は出来ませんボリューム上からファイルやフォルダを削除しても、実データはテープ上に残ったままとなり、カートリッジの容量は増えません。なお、フォーマット(全消去)を施すことにより、LTOカートリッジの再利用は可能です。
☆LTSFファイルシステムでの記録領域上限は腹八分目にインデックス領域が割り当てられる為、カートリッジに表示されている全容量にデータを記録することは出来ません。上限は全体の約8割程度、LTO5なら1.5×0.8=1.2TBが目安です。また、LTFSではスパンボリュームの記録には対応していませんので、1巻でバックアップを完結させる必要があります。
☆不安定なLTFSドライバがある。特に古いverのLTFSユーティリティでは動作が不安定な場合があります。当方が2013年頃に導入テストした際は特定のファィルが記録出来なかったり、ボリューム上から消えてしまうケースを経験しています。
各社でドライバ自体の改良や、verアップによる機能拡張も行われているので、最新の物を導入してください。
☆ドライブヘッドのクリーニングについて転送速度の極端な低下(いつまで経っても記録が進まない。)、ドライブがデータを探し続けているかのように、テープを前後に行き来する動作音を連続して立てる場合等は、ヘッドの目詰まり・汚れが考えられます。定期的にクリーニングカートリッジでクリーニングして下さい。経験上、特定銘柄のLTOカートリッジで、他の製品に比べて、早めのクリーニングが必要になる物もあります。
ドライブによっては自動的にクリーニングを促すインジケーターが点灯してから、実施を勧めている製品もありますが、コンディションの様子からケースバイケースで対応してください。
☆ハードウェア圧縮機能についてLTOドライブには規格上、ハードウェア圧縮機能が実装されており、新旧、どのドライブについても、およそ非圧縮時の倍の容量をロスレス(可逆)圧縮で記録できるとされています。圧縮モードを実行するには、記録を始める前に、操作用ユーティリティやアプリケーションのチェックボックスをONにします。
但し、これは非圧縮形式のファイルに限って効果があると考えたほうが良さそうです。例えば元より複雑な圧縮アルゴリズムを用いられている事が殆どの映像ファイル等では、逆に記録後の容量が増えてしまう事もあるようです。圧縮モード時のカートリッジ容量消費量は実際に記録してみるまで判らないので、映像のバックアップ用途が殆どの当方では使用していません。(TB単位のバックアップ作業が、やり直しになると多大な時間を費やしてしまいます。)
☆ドライブ本体の製品保証・修理について多くが米国IT機器メーカー製品で、通常、3年間のセンドバック保証が付きます。期間中の自然故障については修理という方法は取られず、大抵の場合、新しい同一製品へ丸ごと交換となります。期間後の故障については買い替えることになります。
なお、購入後、定められた一定日数までにオンラインでユーザー登録を行わないと、製品保証を受けられないメーカーもあるので、忘れずに手続きを済ませておきましょう。
posted by tera-pro管理人 at 12:28|
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LTOテープドライブの 使い方